“2014 Forest Hills Drive”の11曲目。「明白に」と題されたクライマックスのこの曲では、負の感情から吹っ切れて自由になったJ.
Coleが女手ひとつで自分を育て上げてくれた最愛の母への謝罪と感謝を語る。また”Apparently”にはもうひとつ「見たところによると〜らしい」という意味もあり、正解はわからないが、いま確かに彼が信じている人生のあるべき姿についても語っている
アルバムのタイトルにもなっている青春時代の彼の実家は、彼がNYで大学生だった時にローンが払えなくなった母親によってひっそりと売却された。大都会の生活にうつつを抜かして当時そんなことを知る由もなかった彼は、今アルバムの制作を機に当時のオーナーから抵当権を買って実家を買い戻した。
[Hook]
顔はずっと高くあげてるよ
どこにだって飛んでいけるための翼だって手に入れたんだ
「自由」の本当の意味はわからないけど
夢が俺を救ってくれることを願うよ
自分自身の信念を強く持ち続けるよ
神様にだって俺についてこいって言ってやる
ずっと不敬虔だったけどさ
なんであなたに従えと言われなくちゃいけないんだ(*中世イギリスの詩人ミルトンの小説『失楽園』には、神に仕える敬虔な天使たちが自我(信仰によって神の奴隷になることへの恐怖)に目覚めて、自分自身の人生を得るために堕天使になっていく話が描かれている)
[Verse 1]
これが俺のキャンバスだ
俺の好きなように描いていくぜ
これが俺のキャンバスだ
俺の好きなように描いていく、誰にも邪魔はさせないぜ
だってこれは正しいとか間違いじゃないんだ、そこにあるのはただの歌
俺は一人きりで書きたいんだ、俺だけの世界に入って
フォレストヒルズのことを思い出すよ、確かに「完璧な」家ではなかった
でも俺が唯一ホーム(心の拠り所)と呼べる場所はそこだけだったんだ
あいつらがローンの担保として差し押さえたからママは嫌でも手放すしかなかったんだよな
本当にごめんよ、そんな辛いことを全部一人でやらせちゃって
そんとき俺はニューヨークで女の子追い回しながら豪華な部屋に暮らしてたんだ
そんな困難があったなんて知る由もなくてさ、あなたはなんでそんなに強くいられるんだよ?
んでなんで俺はこんなに自己中心になれるんだ?なんで俺はこんなにもセルフィッシュなんだよ
あなたと彼女にしてきたことを思い返すとひでぇよな、彼女はあんなに自己犠牲的なのに
彼女は本当に良いやつだ、あなたと同じくらい俺を愛してくれるんだ
たとえあなたに見せるような愛を彼女に見せなかったとしてもだ
もっと親孝行して楽させてやらなきゃな
もしあなたが永遠に生きられたらな
そしたら俺たちもっと一緒に過ごせるのに
(愛してるよママ)
[Hook]
顔はずっと高くあげてるよ
どこにだって飛んでいけるための翼だって手に入れたんだ
「自由」の本当の意味はわからないけど
夢が俺を救ってくれることを願うよ
自分自身の信念を強く持ち続けるよ
神様にだって俺についてこいって言ってやる
ずっと不敬虔だったけどさ
なんであなたに従えと言われなくちゃいけないんだ
[Post-Hook]
いつだってあなたは、俺を信じてくる、俺を信頼してくれる
どんな時だって、あなたは俺を信じてくれる、本当に感謝してるよ(*Apparentlyは”ApPARENTly”と見て「一人の親として」という意味にする言葉遊びもできる)
[Verse 2]
日々ライムを磨いて
日々世界中をツアーしてんだ
今日朝起きた時ムラムラ(horny)してたから
ビッチを二人連れて俺のトロンボーンを吹かせたよ(*ムラムラする(horny)とトロンボーンの音色(horn)、トロンボーンのトロ(tro)は3を意味して=3P、ボーン(bone)は勃起したペニスを意味するという言葉遊び)
その調子だ、言葉だけでここまでこれるとは思わなかったよ
お前らはそれ(歌詞)を飲み込み、また俺に吐き出してくる
しっかり聴け、適当に聞き流すんじゃねぇぞ(*J. Coleの曲は歌詞が緻密だから、集中して歌詞を読まないと本当の意味が理解できない)
俺にレイプしてくれとせがむ処女(本物を求める純粋なラップファン)を連れてきてくれよ、頼むぜ
最高の親友ってのは最悪の敵にもなりえるんだ
俺の時計がやっと届いた(時代が来た)、待ちわびたぜ
ロレックスじゃねぇ、AP(オーデマピゲ、ロレックスより高級)だ
俺はホットドッグだ、追いついてみな(*「興奮した犬」でスピードについてこいという意味と、「今旬なアツいやつ」で俺の時代を超越した感性についてこいという意味、それから”Catch
up”は発音がケチャップに似てるから、ホットドッグにケチャップをかけなっていう意味になる言葉遊び)
あぁ我慢できなかったぜ(*思わず難解な歌詞を書いてしまった)
星を目指してやってたから間違うはずはなかったんだけどな
でも煙(fumes)に乗って、月(moon)に乗って一休みしてみたら気づいたんだ,
今は車のボンネットの上に乗って眺めてるよ
素晴らしい景色だよな(*デビュー当初は星(売り上げや賞)を目指してたけれど、それに疲れて自由になってみたら、今まで自分が上を見るのに忙しくて見落としてきた景色はとても美しいものだということに気づいた。そして今は地に足がついた(車のボンネット)からの景色を楽しんでいる)
何人かは俺に感謝するべきだろ、だって俺がいなきゃお前らのキャリアもなかったわけだからさ
俺がお前らにあげた青写真(blueprint)のことを忘れんじゃねぇぞ(*ここでは後輩ラッパーたちへの説教に加えて、逆説的に自身と師匠JAY
Zとの関係にも触れている。J.
ColeはJAY
ZのレーベルRoc
Nationと契約した最初のアーティスト。そしてJAY
Zの大ヒットアルバム”Blueprint”3部作への参加によって一躍名が知れるようになった)
もう直ぐ充電切れる(アルバムが全曲終わる)、0パーセントだ
さぁお前らの出番だ、まぁ頑張ってくれよ
お前らイキがってるけどフロウはかなりソフトなんだよな
デカ尻のボーイングでブーンと飛び立つぜ
コイントスで表を出す(getting head)ようなもん。簡単さ(*getting
headはフェラしてもらうという意味でもある。先の歌詞にもあったように、彼にとってはこんな言葉遊びは朝飯前)
[Hook]
顔はずっと高くあげてるよ
どこにだって飛んでいけるための翼だって手に入れたんだ
「自由」の本当の意味はわからないけど
夢が俺を救ってくれることを願うよ
自分自身の信念を強く持ち続けるよ
神様にだって俺についてこいって言ってやる
ずっと不敬虔だったけどさ
なんであなたに従えと言われなくちゃいけないんだ
[Post-Hook]
いつだってあなたは、俺を信じてくる、俺を信頼してくれる
どんな時だって、あなたは俺を信じてくれる、本当に感謝してるよ
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