2016年4月21日木曜日

Get Lit - "Somewhere in America" 和訳

ロサンゼルスを拠点とする、少年少女たちの声を届けるNPO団体”Get Lit”(明かりを灯そう)を代表してBelissa EscobedoRhiannon McGavinZariya Allenの3人が披露したポエトリースラム(詩の朗読のパフォーマンス)。タイトルは「アメリカのどこかで」。現在のアメリカ社会の問題を鋭く指摘する彼女たちのこのパフォーマンスは大きな反響を呼んだ。



ここアメリカの、すべての州で

彼らはすべての科目に「基準」を設定している

教師が求められるのはただ学期の終わりまで教壇に立つということだけ

でもあなたが教えてくれる一番大切なことはシラバスには載ってない

あなたが教えてくれる一番大切なことは、あなたですら覚えていない



あなたは私たちが何を言ってはいけないのかすら教えてくれなかった(失敗して学ぶ機会)

私たちはただ口をつぐむことだけを教えられた

今アメリカのどこかで

「ライ麦畑でつかまえて」を持っている子供がいて、そして銃を持っている子供がいる

でもこのうちの一つは州政府によって禁止されている

それは私たちの体を傷つけるものではないのに

ただ一度「F**k You」と書いてあるだけなのに(いくつかの州では銃は合法、名作「ライ麦〜」は描写が問題で発禁本に指定されている)


だって私たちはコントロールしないといけないから、人々が何を言うか、どう思うかを

そして彼らは自らの意思で奴隷監視官になるようにされている(自身も奴隷の身でありながら、権力に従い奴隷を律していた人にたとえて)

私たちが本物を見せてあげるの

アメリカのどこかで

ある子供は母親の膝の上に座って、KKK(白人至上主義グループ)のウェブサイトを見ている

それは一般に公開されているから

でも子供たちはファーガソンで何が起きてるか知らない(丸腰の黒人青年が手を上げた状態で警官に射殺されたことに端を発したデモ)

子供たちは「アラバマ物語」を読んだことがない

なぜなら学校がNワードがあることを理由に禁書指定しているから(『アラバマ物語』は人種的偏見が根強い米南部で黒人青年を弁護した白人弁護士の話、映画化もされた名著)


マヤアンジェロウは禁止されている、なぜなら私たちは学校でレイプを語ることは許されていないから(マヤは虐待、人種差別、性差別のような逆境を乗り越えた偉大な黒人女流詩人)

私たちはただ「何かがあった」としか教えられない

「別に真剣に話し合うべきことではない」と

そして彼らはまた新しいショッピングモールを建設する

私たちがどんな場所に立っているのかを忘れさせるため

それはヒスパニックたちの骨の上

奴隷たちの骨の上

アメリカ先住民の骨の上

言論の自由のために命をかけて戦った人々の骨の上


大陸横断鉄道は日系人強制収容所へと繋がっている(太平洋戦争時、日系アメリカ人は強制収容された=米政府による人種差別政策)

その事実は私たちの歴史の教科書から削除されている

でも私たちは沈黙を強いられている

彼らを逆なでてはいけないの

アメリカのどこかで

私立校の女の子たちは何時間もかけてブティックを回る

夢のプロムのためのドレスを見つけるために

一方でサウスサイドの子供たちは何時間もかけて必死に落し物係を回るの

なぜなら冬がもうそこまで来てるのに、それが彼らが唯一持ってるジャケットだから


子供たちは(家族を養うため)夜中に働いて授業に遅れてくる

彼らは皆勤賞はくれるけど、家族を(貧困からくる)トラブルから避ける手伝いはしてくれない

あの子達はあなたたちの音楽をゲットー(汚いラップ音楽)と呼び、正しい英語を話してないと言ってくる

そして彼らは友達とドライブしながら車内で歌うの

“They’re bout that life”とか”We can’t stop”って(黒人を蔑んでいるのにノリの良い黒人音楽を聴く)

アメリカのどこかで

学校は生徒に自信を持つことの大切さを教えてるけど

その一方で教室では体のサイズや体脂肪率を大声でバラすの


ぽっちゃり体型の女の子が、身を隠している一方で

細身の体型の美人は自慢げにクスクス笑っている

金持ちのお坊ちゃんたちはリサイクルショップに行く

ただ面白そうだって理由で(ラップの歌詞に影響を受けて)

でも私たちは違う、そこのものを買えるお金しか持ってないの

だってママは市の職員で(清掃員など)、ママは月に一度しか給料をもらえないから

アメリカのどこかで

女の子は地下鉄で大人の男性からいやらしい視線を向けられている

彼女は学校の制服を着ていて、それが彼らをそそる一因になっているの

ニーハイソックスとストラップシューズじゃいざとなった時に逃げられない

男の先生たちはみんなそんなこと知ってるはずなのに


コーチはチームのスター選手が新入生をダンスパーティーの後レイプをしてることをひた隠しにしている

女性は(男からの)デートを断ったことで殺されもする

でも神様は私の彼女(同性)とプロムに行くことを禁じている

女の子たちは二次会で酒を飲まされて気を失わされる、彼女が目覚める前に写真を撮るの

あんたの正気ってのは何ピクセルあるの?(写真とかけて)

学校の勉強ができるって裁判では関係あるの?

今日は授業でどんなことを習ったの?

早く歩くな

大声で喋るな

手を出すな

顔を下げてろ

テストに集中しろ

回答がわからなかったらCを選べ(学校のテストは本当の知識をはかっていない)

バスの中で一人でいる時は常にイヤフォンを付けていろ

誰かがついてきていると感じたら、電話しているフリをしろ

先生は絶対に正しい、お前が間違ってる


アメリカのすべての州における

一番の教訓は


あなたは過去に学んだことを何一つとして覚えていないということ

J. Cole - "Lost Ones" 和訳

タイトルの意味は「失われたものたち」。曲のテーマは若くして妊娠した未婚のカップル。全編が会話調で展開されていて、1番では彼氏の言い分、2番では彼女の言い分、そして最後にJ. Cole自身の言葉で構成されている。



[Verse 1](彼氏)

ベイビー今お前がどんな風に感じてるかわからないけど

俺がお前を妊娠させちまったんだよな、今まさにお前の中に命が宿ってるんだ

わかるよ、お前はこうなっちまったから俺が結婚してくれるかどうか疑問に思ってんだろ

俺との子供を身ごもったからこれからの人生ずっと一緒に過ごすかって?

口論したいわけじゃないよ、ちょっと話をしたいだけなんだ

別にまた夜を共にしたいわけじゃないんだ、ちょっと混乱しててさ

なぁ俺ずっとすげぇ考えたんだけどさ

正直に言うよ、俺はまだ準備できてないんだ・・・ちょっと待って!最後まで聞いて!

よく考えてみろよベイビー、俺らまだガキなんだぜ

そんなんでどうやって子供を育てられると思う?

仕事はどうする?まだ二十歳にもなってないのに

どこに住むんだ?どこで金を稼ぎゃいいんだよ?

だから俺はこの男の子だか女の子だかをこの世に出すのには反対だね

子供達には満足な生活をさせてあげたいし

俺は他のヤツらみたいに家族を見捨てて出てっちまうようなヤツにはなりたくないから

だからよく考えてくれよこの先どうなるか、どうするのがベストなのかって


[Hook]

こんなことお前に言うなんて全く誇れたことじゃないよな、だから泣いちまうんだ

たまに泣いちまうんだ、そのことを思うと

ガールわかるよ辛いよな、でもこの世界が完璧だったなら

お前の言う通りにできたのにな、いやでもどうだろう

こんなことお前に言うなんて全く誇れたことじゃないよな、だから泣いちまうんだ

たまに泣いちまうんだ、そのことを思うと

ガールわかるよ辛いよな、でもこの世界が完璧だったなら

お前の言う通りできたのにな、いやでもどうだろう


[Verse 2](彼女)

彼女は言った「なんなのよそれ!

赤ちゃん堕ろせって言いにここまで来たわけ?

これは私の身体なの、あんたの思い通りになると思わないで!

あんたの言いたいことわかるわよ

ホントありがちね

『愛してる』って言ったくせに見事に手のひら返し

もうわかった

あんたも他の男たちと一緒だって知っとくべきだったわ

なんにも変わらない、他の男みたいにセックスするまでは愛してるだとか

もっともらしいこと言って

だからナマでやらせてやったのに、このクソ野郎!

んで妊娠したって聞いたらなに?もう関わりたくないって?クソ野郎!

この命をなかったことにしたいって?あんた神様のつもり?クソ野郎!

私はそうじゃないの!新しい命が私のお腹にあるのよ

あんたのお嫁になんかしてくれなくても、この新しい命を私は愛するわ!

あんたの助けなんてなくたって私一人で育ててくから!

だって私のママは男の助けなんてなくたって立派に私を育てあげたんだから!

でもなんであんたがそんなひどいこと言えるかってまだ信じられない

あんた前に私たちが話したこと忘れたの?

あんたの父親のことよ、彼を憎んでるって言ってたわよね!

あいつは弱虫で、あんなヤツと同じ人間じゃなくてよかったって

だって彼はあんたのママがあんたを身ごもってる時に出てった最低なヤツだって

んで今あんた同じことしようとしてんのよ、あんたも最低よ』


[Hook]

こんなことお前に言うなんて全く誇れたことじゃないよな、だから泣いちまうんだ

たまに泣いちまうんだ、そのことを思うと

ボーイ辛いよな、完璧なやつなんていないよ

どうにかしようと思ってもわかんないよな

こんなことお前に言うなんて全く誇れたことじゃないよな、だから泣いちまうんだ

たまに泣いちまうんだ、そのことを思うと

ボーイ辛いよな、完璧なやつなんていないよ

どうにかしようと思ってもわかんないよな


[Verse 3]

全ての出来事には理由がある(reason

人々は季節のように変わっていく(season)、そして別れていくんだ

彼女はただ彼の誠意が見たかったんだ、愛してると言って欲しかった

あの魔法の言葉を言って欲しかったんだ、体を重ねたあの日に言ってくれたあの言葉を

でも気付いたんだ、彼女は指輪をはめる準備ができてたんだいつだって(if she could

でも彼が愛してたってのはセックスが良かったからってだけ(pussy good)、彼女は伴侶でもなんでもなかった

わぁ!彼女が言うんだ生理が来ないんだって

そしたらパニックになって(panicking)、固まっちまうんだマネキンみたいに(mannequin

一つの命が彼女の中で育ってる、そんで聞くんだ「それって本当に俺の子?」って

もしかしたら俺と別れたくないから嘘ついてんじゃないかって

彼女は泣いてるよ、彼の態度があまりにも冷たいから(acting distant

だってそれを言った途端に突然態度が変わったから(acting different

男はみんな言うんだ「ビッチどもはそうやって野郎どもをハメるんだ

感情的になって訴えるんだ、あんたの態度を示してよ!」って

妊娠したってことを条件にゆすってくるんだ、金をよこせって

でもさ彼女が本当に妊娠したっつって、お前はただ堕ろせっていうだけなのか

じゃあお前が蒔いた「種」はどうなるんだよ?

お前が蒔いた「種」はどうなるんだ?

お前が蒔いた「種」は


[Outro]

こんなことお前に言うなんて全く誇れたことじゃないよな、だから泣いちまうんだ

たまに泣いちまうんだ、そのことを思うと

こんなことお前に言うなんて全く誇れたことじゃないよな、だから泣いちまうんだ


たまに泣いちまうんだ、そのことを思うと