2020年7月5日日曜日

02 - Aaron Burr, Sir 和訳

故郷の人々の思いを背負い、独立革命前夜のニューヨークにやって来た19歳のハミルトン
そこで彼は、当時神童と呼ばれたアーロン・バーを探し、新天地でコネを作ろうとします

バーに連れられ入った酒場には、のちに革命で共に戦う戦友たち
イギリス軍の服の仕立て屋であり革命軍のスパイであるマリガン、奴隷解放を夢見るローレンス、そしてアメリカの自由への革命に参加するためにアメリカに来たフランス人のラファイエットがいました




1776年

ニューヨークシティ



ハミルトン(以下ハム):すみません、アーロン・バーさんですか(Burr, sir)?


バー:さぁどうかな、お前は誰だ?


ハム:あっごめんなさい、そうですよね(sure, sir)。私はアレクサンダー・ハミルトンです

   何かお手伝いできることはありませんでしょうか?ずっとあなたを探してました


バー:なんなんだお前?


ハム:あなたのお名前をプリンストン大学でお聞きしまして、

   あなたのように飛び級をしたいと申し出たのですが

   あなたの友達の一人に断られました

   ヤツをぶん殴っとけばよかったかもしれません

   顔面に一発をです(blur, sir)

   会計の担当とか言ってたあいつを


バー:会計係(bursar)を?


ハム:はい、私はあなたのように2年で卒業して、早く革命に参加したい

   彼は私をバカだと思っていたみたいですけど、私はバカじゃない

   それであなたはどうやったのですか?

   どうやってそんな早く卒業したのですか?


バー:それは俺の両親の亡くなる直前の遺言だったからさ


ハム:あなたも孤児?そうだったんですか!私も孤児です!

   あぁ戦争さえ起きてくれれば!私たちが有能であることを証明できるのに


バー:一杯おごろうか?


ハム:おぉいいですね!


バー:じゃ今のうちに少し注意事項な

   「あまり口を挟むな」


ハム:え?


バー:「ニコニコしてるんだ」


ハム:ははっ


バー:彼らにお前の政治的な賛成とか反対とかを悟られるんじゃないぞ


ハム:ご冗談でしょう?


バー:さぁ、行きたいのか?


ハム:はい


バー:口が軽いやつは簡単に死ぬからな



〜酒場にて〜

ローレンス(以下ロー):ヨーヨー今は何の時間だい!?


一同:ショーターーイム!
*ニューヨーク名物、地下鉄パフォーマーの掛け声とかけて


バー:私が言ってるように、。。。


ロー:ショータイムだショータイム!ヨー!

   俺ジョン・ローレンス様がおでました!
      
   2パイントのサム・アダムス(ビール)飲んでも3時には働いてる!

   赤服の野郎ども(イギリス人)は面白くねぇだろうなぁ

   俺が自由のためにあのCopどもをバッチバチにぶちのめしてやるからな!
   *当時のアメリカ植民地人達が自由のために英国軍人(Cop)を倒すと
   現在のマイノリティ達がラップを使って警察(Cop)に立ち向かうのダブルミーニング



ラファイエット(以下ラフ):おぉ我が友よ、私はラファイエット(フランス語で)

 革命のランスロット降臨、遠方よりきたぜ、こんばんは(彼はアメリカ独立を助けにきたフランス人)

 それからイギリス国王にも伝えようか「ぶちのめしてやるよ」って

 誰がイケてるかって?

 俺に決まってんじゃん



マリガン(以下マリ):ブラァッブラァッ!俺がハキュリース・マリガン

 何でもお任せ、すぐに気にいるぜ

 お前のお袋が「イクー!」って言ったのも聞いたぜ
 *マリガンは人気のスーツの仕立て屋としての裏で、密偵としてスパイ活動をしていた

 お前の娘に俺のお馬さんがこんにちは

   四枚重ねのコルセット越しってのはちょっと厳しいけどな


ロー:あーもうセックスの話はなし!もう一杯行こうぜ!

   みんなで乾杯しようぜ


一同:革命に向かって!!


ロー:おぉ、ありゃプリンストンの神童とか言うヤツじゃねぇか


マリ:アーロン・バー!


ロー:おい、なんか一発かましてみろよ
   (お高くとまってるバーを挑発)


バー:君達の言ってることへの幸運を祈るよ

   私はここに座ってどれだけ唾が飛ぶか見てるからさ


ロー:バー、革命はもうそこまで来てるってのに、お前は何をまだ待ってるんだよ?



ハム:もしあなたに立ち上がる勇気がないのなら、バー、一体あなたは何のために生きているんだ?



一同:おいお前誰だ?誰だ?誰なんだよ?

   このガキは誰だ?一体何をし出すんだ?...

01 - Alexander Hamilton 和訳

このミュージカルの一曲目
ハミルトンの生涯の宿敵でありこのミュージカルの語部となるアローン・バーを中心に、ハミルトンがアメリカにやって来るまでの人生が語られます






どうして庶子で、孤児で、尻軽女とスコットランド人の野郎の息子で

神の思し召しでカリブ海の忘れられた島に捨てられたようなやつ
  
貧しく、惨めで、汚らしいやつが

学識ある英雄になんてなれたのだろうか



10ドル紙幣の顔、父を持たぬ建国の父

それはとてつもなく長い道のりだったけど、

一生懸命に働いて、

どんどん知識を吸収して

なんとか自立して

弱冠14歳で

彼らに(奴隷)貿易の責任者に任命されるまでになった



毎日奴隷たちが残虐に痛めつけられこき使われて

また新しい奴隷が海の向こう(アメリカ本土)運ばれて行くのを見て

彼は悩み、苦しんだ

心の中では彼は何かの一部になりたかった

物乞いし、盗み、借りて、取引するような仲間達のように



ハリケーンがやってきて、破滅が降り注いだ

彼は自らの未来が瞬く間にこぼれ落ちていくのを目の当たりにした

そして鉛筆をこめかみに押し当て、頭脳と連動させ

彼の痛みの証言として初めての旋律を奏でた(新聞にハリケーンの惨劇を伝える詩を投稿した)



周りの皆は言った

「このガキはすごいやつだ!

みんなで金を集めて、こいつを本土に送ってやろう!

そこできちんと教育を受けるんだ、でもどこから来たのかは忘れるなよ

世界がお前の名を知ることになる」

その名は



アレクサンダー・ハミルトン

俺の名はアレクサンダー・ハミルトン

まだ何百万ものやるべきことがある。

今に見てろよ、絶対にやってやるんだ



彼が10歳の時に父親が蒸発、しかも負債を残して

その2年後にはアレックスと母は病気で寝たきりになってしまった

重篤だった

病気の悪臭立ち込める中で

アレックスはよくなったけど、母はすぐに逝ってしまった



その後彼は従兄弟のところに移り住んだが、その従兄弟は間も無く自殺した

その時の彼にはズタズタになったプライド以外に何も残るものはなかった

心の中の声が叫ぶ

「アレックス!お前は自ら身を立てるしかない!」

そして彼は手に取れる本を全て読み漁った



きっと凡人なら何も残されていなかっただろう

野垂れ死ぬか、びた一文も残せない惨めな人生を送っただろう

でも彼は働き始めた

彼の亡き母の雇用主の貿易事務員として

扱ったのは砂糖、サトウキビ、ラム酒、全て彼には手の届かないようなもの


手に入ったあらゆる本を読み倒して

未来を描いた。見ろ彼は今完全に独立した

船首は向いている、その新たなる地へ

『ニューヨークでお前は新しい男になれる』



ニューヨークでお前は新しい男になれる 「今に見てろよ」

ニューヨークでお前は新しい男になれる! 「今に見てろよ」

ニューヨークでお前は新しい男になれる!! 「今に見てろよ」

ニューヨーク!!今に見てろよ!!!



アレクサンダー・ハミルトン

我々は汝に翼を授けよう

決して挫けるな

そしてもう決してゆっくりしてる時間なんてないんだ


アレクサンダー・ハミルトン

アメリカがお前のために歌うとき

彼らはお前が乗り越えたものを知るのか?

彼らはお前が歴史を塗り替えたことを知るのだろうか?

もう世界は前と同じではないのだ



船が港に着いた、彼を見つけられるか

他の移民たちも船底(社会の底辺)から続々と(夢を持って)出てくる

彼(ハミルトン)の敵達が彼の名声を奪って、アメリカは彼を忘れ去った



俺たちは彼と戦った/喧嘩した(ラファイエット、マリガン&ジェファソン、マディソン)
*劇中前半でハミルトンとともに独立戦争を戦うこのラファイエットとマリガンを演じる役者達は、
   劇中後半でハミルトンと政治的に対立するジェファソンとマディソンを演じる。ダブルミーニング



俺は彼のために死んだ(ローレンス&フィリップ)
*劇中前半で独立戦争で戦死するハミルトンの戦友ローレンスを演じる役者は、
   劇中後半でハミルトンの名誉のための決闘で命を落とす息子のフィリップを演じる。ダブルミーニング


俺は彼を信用した(初代大統領ジョージ・ワシントン)


私は彼を愛した(スカイラー三姉妹)
*三姉妹の次女イライザはハミルトンの妻となる
   三姉妹の長女アンジェリカは、ハミルトンに恋心を抱くも、妹のために身を引く
   三姉妹の三女ペギーを演じる役者は、劇中後半でハミルトンの愛人マリアを演じる



そして俺は(アーロン・バー)

俺は彼を撃ち殺した大馬鹿野郎だ



まだ何百万もの成し遂げるべきことがある、今に見てろよ

お前の名前は


アレクサンダー・ハミルトン

2016年9月21日水曜日

Jay Z - "The War on Drugs Is an Epic Fail" 和訳

Jay Zがニューヨークタイムズ紙に寄稿した社説のショートフィルムから。タイトルの意味は「麻薬戦争は最悪の失敗」。自身も過去にドラッグディーラーであった彼が、ニクソン大統領とレーガン大統領によって活発化されたアメリカにおける麻薬撲滅活動のその現状と問題点について指摘。



http://www.nytimes.com/2016/09/15/opinion/jay-z-the-war-on-drugs-is-an-epic-fail.html




1986年、俺が二十歳を迎えた年、ロナルドレーガンは「麻薬戦争」を二倍に強化した

それはリチャードニクソンが1971年に始めたものだ

「ドラッグは悪いもの」

「脳みそを溶かす」

「ドラッグディーラーはモンスターだ」

都市や近所を退廃させた最大の理由だ

誰もレーガノミクスが社会福祉を終わらせたことを語りたがろうとしなかった

アメリカ中の学校を廃校にし、職の数を減らしたということを



俺のようなドラッグを売っていた若者たちが唯一の悪者にされ、薬物中毒者たちはモラルのない落伍者だとされた

1990年代、米国内の刑務所の収監率は飛躍的に上昇した

現在この国は他の世界中のどの国よりも囚人を抱えている

中国、ロシア、イラン、キューバ

全て俺たちが抑圧的な独裁国家と呼んでいる国々

そう、そんな国々よりも




裁判官は刑法を厳罰化し、軽微なドラッグの所持に対してさえ強制実刑判決を下すようになった

俺の故郷のニューヨーク州はこれをロックフェラー法という法の名の下に始めた

そして政府は粉末状のコカインの売人とクラックコカインの売人を区別した

この二つは同じドラッグだというのに

ただ一つ違うのはその摂取方法だけだ

実際白人の方がドラッグの売買でも使用でも黒人よりも数が多いのに

なぜだか黒人だけが刑務所へ行く

今でもマスコミは現実のデータを無視し続けている

クラックは未だに黒人の問題として語られる


ニューヨーク市警がブルックリンの地区をガサ入れしている最中に

マンハッタンの証券マンたちは白昼堂々とコカインを使用しても逮捕されない

麻薬戦争は米国の刑務所における黒人とラテン系が占める人口比率を爆発的に上げた

米国の刑務所の囚人数は9倍に膨れ上がった

麻薬戦争が始まった1971年、囚人の数は20万人

現在は200万人以上だ



長いクラック流行の時代が終わっても、麻薬戦争は続けられた

2014年には150万のドラッグに関する逮捕があった

その80%以上は単なる所持

そのほぼ半分が大麻だった

人々はついにハードドラッグへの依存は健康問題の一つであるということを話し始めた

だがそれでもドラッグディーラーへの処遇については熱心に語りたがろうとしない

それでもコロラドのような場所

大麻を解禁したことで経済状況を急激に回復させたことについては日々話題にしている


南部のルイジアナのようないくつかの州では

未だに大麻の売買で強制実刑判決が下される

今や500億ドル規模の合法な大麻産業が成長しているというのに

多くの州では未だ不釣り合いなほどに黒人とラテン系にドラッグ関連の事例で強制実刑判決が下されている



もし起業精神にあふれた人が、今や数多くある大麻合法の州に移り住んだとしても

この急成長中の業界に参入する際に壁に直面するかもしれない

ベンチャー投資家たちは続々とそれらの州に移住し数百億ドル規模のビジネスを起こしている

しかし前科者は起業することができないのだ

その前科者の多くは(今や合法の)ドラッグ関連で前科がついた

そのほとんどは貧乏人で、生きるためにドラッグを売っていた

なのに現在急激な成長を続けている業界へ参加することを禁止されているんだ

意味わかるか?



ニューヨーク州のような場所では、もはや大麻の所持だけでは逮捕の対象にはなりえない

警察の薬物所持に対する検挙率は黒人とラテン系の住む地区が他の地区に比べて圧倒的に高い

クラウンハイツ(ブルックリンの黒人地区)に住む子供達は頻繁に警察に呼び止められ身体検査をされる

コロンビア大学の寮に住む子供達はマリファナの使用率がそれらの地区の同等かそれ以上あるにもかかわらず、警察に狙われることはない

現在の薬物乱用率はニクソンが薬物戦争を宣言した1971年と同じだ

45年経った今、俺たちの政治と法律について考え直す時だ


麻薬戦争は最悪の失敗だった